
京市の二大名家出身の宿敵同士である南海絵梨と林田晃嗣は、20年にわたって争ってきた。ある日、二人は交通事故に遭い、そろって記憶を失う。村人に引き取られ、出稼ぎから帰ってきた若い夫婦「井本美知子」と「山口金次郎」と勘違いされたまま、楠村で暮らすことになる。令嬢は家政婦に、御曹司は警備員に成り下がる。かつては顔も見たくない間柄だった二人だが、素朴な農村の、土壁の家で、次第に惹かれ合い、偽りの夫婦関係から本当の愛を育んでいく。しかし記憶が戻り、再び宿敵として向き合うことになった時、記憶を失っていたあの日々に芽生えた真心は、20年にわたる因縁に勝つことができるのか――。