
90年代初頭。10歳の陳遠は、妹の愛を連れて貧しい暮らしを必死に生き抜いていた。 ある豪雨の夜、兄妹は傷ついた黒犬“クロ”を助け、三人で支え合いながら暮らし始める。 だがある日、愛が突然この世を去ってしまう。 深い悲しみに耐えきれなかった陳遠は、その怒りをクロにぶつけ、冷たく追い出してしまった。 しかしクロは離れていなかった。 折れた足の痛みに耐えながら、陰で陳遠を悪党から守り、食べ物を残し続けていたのだ。 真冬の夜、冷凍倉庫に閉じ込められた陳遠を救うため、クロは命懸けで鉄扉を噛み破る。 そして凍える陳遠を自分の体で温め続け、最後は彼の腕の中で静かに息を引き取った。 その時ようやく陳遠は、声なきその忠誠の深さを知るのだった。