
主人公である燕北の燕王の子李楓(リー・フォン)、「刀」を一本の軸として、個人的な成長、家族に絡む因縁、そして江湖に生きる侠義の世界が描かれていく。表向きはごく平凡な料理人に見える李枫だが、その実力は本人すら気づかぬほど底知れず、身分を隠したまま絶世の刀法を身に宿している。 懵懂な身の上探しの少年だった彼は、やがて愛する者を守り、積年の仇を討つ伝説の刀客へと変貌していく。本作は「刀をもって生を護る」という侠義の核心を描くと同時に、「怨みの連鎖には限りがあり、愛と憎しみの果てには真実がある」という価値観を静かに伝える。真の強さとは殺戮に溺れることではなく、力をもって正義と温もりを守り抜くことなのだ、というメッセージが胸に残る。