
蘇雲(スー・ユン)は民国時代の蘇家の長男として転生し、「大富豪システム」に覚醒する。そのシステムは、金を失えば失うほど報酬が得られるというものだった。 任務達成と報酬のため、蘇雲は華銀グループを設立し、教育事業に投資しては学校を次々と建設する。ところがその結果、国中から称賛を浴び、蘇雲は大赤字を被ってしまう。 赤字を出すため、今度は破産した工場を大量に買収し、流民を雇って金を注ぎ込む。全てを失ったと思った矢先、国民の支持が集まり、工業製品は飛ぶように売れ、またしても蘇雲は大赤字。 さらに赤字を狙って重工業へ巨額投資を行えば、軍からの注文が殺到し、再び大赤字。 それでも諦めず、道路建設、鉄道敷設、送電網整備とインフラに莫大な資金を投じるが、完成目前で国民が再び“裏切り”、蘇雲はまたもや大赤字となる。 数年後、工業は発展し、経済は繁栄し、民は豊かになり、国中が蘇雲を英雄として称える。 ――ただ一人、蘇雲だけが、ひそかに涙を流していた。